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まさかこれが5月病!?私が体験したある朝の異変
私がまだ20代、入社4年目の時でした。地方都市でのんびりと仕事をして過ごしていた私に思いがけない出来事が起こります。
人事異動。それも4月からまさかの本社勤務!!
更に追い打ちを掛けるかのようにこれまでの仕事内容とは全く異なる部署への配属・・
右も左も分からない状態で、これまでまともに使ったことのないコンピュータスキルの基礎を学ぶことに。
と同時に会社全般にわたる業務の習得をしなければならない目まぐるしい日々を過ごし始めました。
何とか4月を乗り切り5月の連休でリフレッシュ!
リフレッシュ後からはまた忙しい日々を繰り返し、慣れない環境で食らい付いて前向きに仕事に励んでいたそんなある日の朝、私の身に異変が起こります・・・
起き上がることができない!!!
昨夜夜更かしをしたわけでもなく、二日酔いになったわけでもありません。
でもなぜか体の倦怠感がひどく起き上がるのが辛くて仕方がない。その時は気付いていませんでしたがまさにこれが
5月病の始まりだったんです。
異動後の仕事は相変わらず忙しく、仕事に必要なスキルを磨く時間も無くなり家に持ち帰ってその時間に充てる、そんな日々でした。
仕事場でも家でもやらないといけない、やらないと周りに迷惑をかけてしまう。
毎日そればかりを考え過ごしていました。
そもそも5月病って何? どんな症状?
5月病とは正式病名で『適応障害』と言います。
簡単に一言で表現するなら、
“特定の環境や出来事などをきっかけに極度のストレスを感じる“ことです。
詳細は→厚生省ホームページ[適応障害]へ
日本では社会人も学生も心機一転、新しい生活のスタートは4月ですよね。
初めの1ヶ月は新しい職場、教室、人間関係で息つく暇もなく過ごします。「やっと慣れたかなぁ」と思い始める頃にゴールデンウイークがやって来ます。
つかの間の休息でふと自分を振り返ると「何も出来ていない、何とか頑張らなければ!」と気負いし、その思いが強くなればなるほど空回りに陥ります。
そして次のような症状が現れます。
1日が終わるとぐったりして、疲れすぎで晩御飯もあまり食べたくない、そして朝が来るのが早いこと。「え!もう朝?」毎日がそんな感じでした。
5月病発症を疑うべきポイント!!
・疲れやすい
・朝、起きられない
・食欲がない
・やる気がない
・イライラする
・不安を感じる
これらを感じた場合は5月病の発症シグナルです。
もし気になる方、当てはまるかもしれないという方は様子を見るのではなく、厚生労働省のうつ病チェックすることをおすすめします。
遂に諦める私、5月病は克服できるのか!?
当時私が5月病となったときの環境は以下の通りです。
配属された部署には、私より後で入社した若手が3人いて、その3人のリーダ役として異動を命じられたと上司から聞きました。
しかしながらその後輩3人はコンピュータ専門学校出身者だったり、大学で情報処理を専門としていた人物でした。
地方で3年間のんびり過ごした畑違いの私と、就職前から専門とする分野に配属された後輩とでは知識について雲泥の差がありました。
そう。すでに「5月病」=「適応障害」が発生する条件は揃っていたのです。
あの魔のような“起きれない”の不調が出始めて半月程経った頃、会社に行くのもつらい感じになっていました。
誰かに相談しようと考えるのですが、家族、上司、同僚など近い人程、話したくないと思いました。
家に持ち帰ってのスキルUPも出来なくなっていました。
メンタルがやられてしまっている私は壊れかけます。
持ち帰りのスキルUP、どうせできないのならやめてしまえ!!
この時私はもう終わったなと。社会人の終止符を早くも打つのか・・・でも、もう
諦めた!!
するとどうでしょう。なぜか、気持ちが少しだけ”すっと”楽になった気がしました。
その日から家に課題を持ち帰ることをきっぱりやめました。
するときっぱりやめることで気が晴れたのか、なかなか眠れなかったのが、眠れるようになりました。
眠ることが出来始めると会社での仕事が以前よりすっきり頭に入って来ました。そして頭をしっかり使うと、今度はお腹が空きました。
食事が摂れるようになりました。
こうして私は毎日の通勤路にできた新しいお店の存在を2ヶ月を経て気付くことができました。こんなところにお店があったんだと。
情けないことに自分の通勤経路にある変化すら、それも2ヶ月もの間気付くことができないくらい周りが見えていませんでした。
これまで変化した環境に、自ら追い打ちをかけるかのように、ストレス負荷を自分自身でかけてしまっていたのです。
それから5月病を少しずつ克服した私は、若手3人に指示を出して仕事をしていくことが出来る様になっていました。
新しい環境で自分を追い詰めるのではなく、諦める勇気を持つ、息を抜く勇気を持つことで一歩前進することができたのです。
一人では生きていけない。人に頼ることで病気を克服
“諦める”ことで5月病を少し克服し始めた私、数年振りに以前行ったスナックを訪れるのです。
お店に入ると「あら、元気しているの?」とママさんの、優しい声が。
数年振りにも関わらず顔を覚えていてくれました!
嬉しくお酒の力も借りながら、異動して来た時からの出来事、その時の気持ちも含めて一気に話しました。
私が話している間、ママさんは、「うん、そう、それで、まぁ!」しか言いません。意見を何も言わず、こうした方が良いとかもなく、ただ黙って頷きながら聞くだけでした。
私が一通り話した後、ママさんに子供に諭すような優しい口調で聞かれます。
「それで、どうしたいのかな?」
私はこれまで以上に勉強して、早く他のメンバーに追いつきたいと言っていました。この後、家での勉強を再開したのは言うまでもありません。
今思えば、初めから他の人に話をすれば良かったかもとも思います。
しかしそもそも自分の異変に気付くことができず、周りどころか自分も全く見えていない状態で話をするのは困難です。
そこで有効なのが定期的なストレスチェックです。自分でわからない時は第三の目に頼るべきです。
最近は専門的な相談窓口を設置している企業コンプライアンスや地方自治体が増えています。
会社や学校は体の健康はもちろん、心身ともに健康であることを望んでいます。せっかく相談できる仕組みがあるのなら、恥は捨て積極的に利用すべきです。
そして私のように何も気にせず話を聞いてくれる人を頼るのも一つです。
それでもどうしても克服できない、そんなときは・・・
一言です。
自分が潰れる前に全てやめましょう。
学生なら休学、社会人であれば休職!
恥ずかしいことではないです。
決断出来ることの方が、自分の状況を理解できていることの方がよっぽどスマートです。
冒頭説明した通り5月病=適応障害です。
原因は明確です。これまでから身の回りに起きた何かしらの変化に自分自身が順応できていないのです。
最も有効な対策は変化した環境から距離を置くことです。原因を遠ざけることで昔の健常だった自分に戻ることができます。
発症までは明確な基準はなく、人それぞれ。そしてストレス影響も異なる、誰もが陥る可能性のある病気です。
5月に限らず、お正月やお盆夏休みなど普段の生活から離れる期間は慎重に。その中でもゴールデンウィークは新生活スタート直後なのでが特に警戒が必要です!!
やめる勇気、白紙に戻す勇気を持ちましょう!!
そして病院へ行って体を万全にしましょう。
自分探しや自分を鍛えるのは、それからでも充分です。
5月病になるその前に!事前にできる対策とは
これまで私自身5月病を経験し、その対策を解説しました。
ですがそもそも厄介な病気など誰しもかかりたくないはずです。ですので可能な限り事前に対策をして備えましょう。
ポイントは
”環境の変化を最小限にすること”
です。
新生活がスタートし1ヶ月の経過でまだ新生活に慣れるか慣れないかのギリギリのところでゴールデンウィークとなります。
緊張から一気に解放されて、休みを存分に楽しむことでしょう。人によっては休みを有効活用しライバルと差をつけるために猛勉強!!なんて方もいらっしゃるかもしれません。
いずれにせよまだ新生活が始まって1ヶ月で身体が慣れきっていないことを頭の片隅においておく必要があります。
そして連休中もできるだけ普段の生活から変えない様に心がけてください。
例えば連休の最後3日間は休み明けと同じ時間に起き、同じ時間に寝る。連休から新しいことに取り組む場合は連休後も続けられる範囲で実施する。
そして必ず休み明けの日常へ戻る際は”休日に対する休息日”を設けましょう。
休日は休日で疲れが溜まります。連休を全てフルパワーで使ってしまっては休み明けに悪影響を及ぼします。
まとめ
如何でしたでしょうか。
私自身5月病を経験し非常に辛い思いをしました。今では全く大したことではないですが、これは乗り切れたからです。
是非参考にして頂き、困ったことがあれば実践してみてください。
- 体調の異変に気づく!
普段からストレスチェックを行い、気になることがあればメモに残しましょう - 自分に向き合う!
自ら追い詰まないように周りを気にしすぎるのではなくまずは自分を見直すこと - 人を頼る!
人間は一人で生きていけない。家族,友人,スナックのママ誰でもいいから話ができる人に相談する - 諦める勇気!
人間に完璧はありません。諦める勇気でリセットしましょう - 自分を認めほめること!
少し気持ちが落ち着いて来たら、自分を褒めてください。
また自分の良いところを探す。これは非常に効果が高いです。 - ステップアップやスキルアップは完全回復してから
- 環境の変化を最小限にすることで事前対策を!
連休前後で環境が大きく変わると順応できなくなります。