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国勢調査を出さないとどうなる!?拒否や無視をすると罰則!?

 

国勢調査は5年に1度、日本に住んでいる
すべての人を対象に行う
状況調査。

2020年の9月14日から
インターネットで受付が始まり
全世帯に調査票が9月末までに配られました。

提出期限は10月7日を基本として、
水害のあった一部の地域を除き
遅くとも11月20だったのですが、

「つい、出しそびれて」、
「面倒だったからほっておいた」

なんてことになっていませんか?

国勢調査を出さないとどうなるのか?

罰則があると噂で聞いたが本当か?

国勢調査の始まりや調査する意味や
どんなことに使われているのか

など疑問に答えします。

 

Contents

国勢調査の始まり

 

 

国勢調査は外国人も含めて
日本に住むすべての人を対象にした
全数調査(すべての人を調べる)
最も重要な調査です。

 

調査項目は氏名、年齢を始め学歴、
就業状態など世帯人数、
住居についての項目もあります。

第1回目の国勢調査は
今から100年前の大正9年(1920年)に行われました。

当時は欧米先進国に追いつけとばかりに国中が
お祭り騒ぎになったと記録されています。

今のようにテレビもラジオもなく
インターネットもない時代に、
国勢調査を宣伝する為に政府は標語を募集しました。

「国勢調査は文明国の鏡」、
「一人の嘘は万人の実を殺す」など

まっすぐな表現のものから
正直に答えようと言うものまで
色々な標語があったようです。

総務省統計局ホームページに
国勢調査100年の節目に合わせた
「国勢調査100年のあゆみ」を出しています。

ぜひご覧になってみて下さい。

その時代の様子が伝わって来て、とても面白かったですよ。

 

総務省統計局ホームページ「国勢調査100年のあゆみ」はこちらから
統計局ホームページ/国勢調査100年のあゆみ

 

国勢調査の目的とは

 

 

総務省のホームページには
難しいことばで目的が書かれています。

調査の目的及び沿革、
「国内の人及び世帯の実態を把握し、
各種行政施策その他の基礎資料を
得ることを目的とする」

※出典:「総務省統計局のホームページ
/統計データ/令和2年国勢調査」より引用

 

ここに書いてあるように、
なぜ人、及び世帯の実態調査が必要なのでしょう?

総務省統計局のホームページに
2015年の国勢調査の結果が公表されています。

資料によると住民基本台帳(住民票のまとめ)と
国勢調査との人口を比較した時に
住民基本台帳登録数の方が多い自治体は
1259件にも上ります。

※出典:「総務省統計局のホームページ
/インフォメーション/広報資料」より引用

どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?

仕事や学業で若者が地方から都会へ
出ているケースが考えられます。

実際には都会で生活しているのに
住民票は残したままになっている人が
多いと言うことです。

特に大都会周辺の都市で
大学や高等教育機関を多く抱えている市や町などは、
住民基本台帳登録数より実人口の方が
ずいぶん多くなっています。

住民票は移していないけど
人が住んでいればゴミも出せば、
水も使うし、トイレも流しますよね。

市や町は多くの行政サービスをして行く為に、
どのくらいの人がいるから
どのくらいのインフラ整備が必要かを
いつも考えていかなければいけません。

民間でも同じようなことが言えます。

例えば、コンビニなどお店を出す場合にも
周辺の人口を調査し客層(年齢層)を
把握しておく必要がありますよね。

こんな時、国勢調査で調べた実態調査結果が非常に役立ちます。

いろんなことが分かってくると、
国勢調査はとても重要なことに
使われている
ことが良く分かります。

 

国勢調査の調査方法

 

 

これまで国勢調査の調査方法は「対面方法」が主流で、
毎回大勢の国勢調査員によって行われてきました。

前々回からやっと郵送で回答することが全面的に始まりました。

それでも任命された国勢調査員は、
各家庭を訪問し調査される人に直接会って、
国勢調査の意義や意味を伝えて調査書を渡し、
回答のお願いをして来ました。

昼間にお会いできない方には夜に訪問し、
なかなか回答してくれない方には
なんども訪問をするなどして
調査精度をあげる努力をして来たと聞きます。

前回からは
インターネットでの回答も本格的に始まりましたが、
それまでは国勢調査員が回収し、
記入もれが無いかをチェックしていました。

それ程、任命された国勢調査員は、
高い意識をもって調査業務を行っていたのですね。

 

 

こうした努力をされてきたにも係わらず
最近はプライバシーに関することだからと
回答しない人が増えています。

また、共稼ぎ家庭の数も大幅に増えてきていますし、
外国籍の方も年々増え、
都会では1人くらしの方も多くなっていますよね。

昼間に家庭を訪問し、
国勢調査員が調査用紙を手渡す。

そこに加えて説明などを直接行うことは
さらに難しくなっていくことでしょう。

そして2020年の国勢調査は
「コロナ」という困難がさらに加わりました。

住民に直接会って説明をして調査票を渡す
という「対面式」の原則を変えて、
インターフォン越しで説明をし
調査票は郵便受けに入れることになりました。

調査員の募集も2015年調査時と同じ70万人を
目指していましたが、
辞退者が相次いで60万人あまりしか集まりません。

おかげで、ますます「対面式」の原則を
守れなくなってしまいます。

回答率が低くなるのを心配する総務省は
スマホでも回答できるように改良し
精度を上げようとしました。

しかし、このまま全数調査を続けて行くことは
プライバシー保護と相まって
だんだんと困難になって行くのかもしれませんね。

 

国勢調査に解答しなかったらどうなるか

 

 

国勢調査に答えるのが
面倒だと思う人は多いでしょう。

実際に提出期限を忘れて出さなかったり、
面倒だからほっておいたりするとどうなるのでしょう。

国勢調査に回答することは、
統計法第13条に

「報告を求められた個人又は法人その他の団体は、
これを拒み、又は虚偽の報告をしてはならない」

と決められています。

また、この法律に反すると50万以下の罰金科せられます。

 

総務省では、2017年に国勢調査の回答率に
著しい低下を危惧して、
「非協力者への対処(罰則の適用)」を検討しています。

個人による単純な非協力から
組織的な調査拒否まで広がってきているようですね。

非協力者に対する対処方策の考え方として、
「原則として国民の理解を得て調査を実施する」ことで
罰則は出来るだけ控えることにするか。

また非協力者の増加に対して、
悪質なものは「警告」した後に
「罰則」を適用するのか。

この2案で検討されたようです。

諸外国でも同じように
調査を無視したり拒否したりする人がいて、

イギリスでは2001年の調査で
92件の申告義務違反を送検しています。

私も配られた調査票を見て、
はじめは面倒だなと思っていました。

しかし、
封筒を開けて同封してあったパソコンで回答する為の
「ログインID」、「アクセスキー」
実際に使ってやってみたところとても簡単でした。

これなら面倒だからという理由で回答されないのは
少なくなるのではないでしょうか。

先に言ったように回答をされなかった時や
嘘の報告をした時に罰則はあります。

しかし、すべての申請内容をチェックすることなど
実際に出来るはずもないでしょう。

これまで調査を出さなかったりすると、
国勢調査員が対象の人が何度も訪問して
提出をお願いして来ました。

それでも拒否や無視をする人に対して国勢調査員が、
住んでいる家の大家さんや管理人から聞き取りを行い、
さらに周辺の住民にも聞き取りをして提出しています。

これまで国勢調査を回答しない、
または嘘の申請をしたということで
罰則を受けた人はいません。

ですが今後は罰則もあるかもしれませんね。

 

問題は「全数調査」の内容が不正確だということです。

いろいろな統計資料の数字が誤ったものになってしまいます。

調査が不正確だと、今後、東日本大震災のような災害が起こった時、
被害人数を正確に把握出来ないことになりかねません。

本当に困ったことです。

拒否する人を罰すれば
ことが解決するような単純なことではないですが、

今後、総務省も悪質な拒否を行う人や組織には
厳しい対応をする方向に向かうかもしれません。

 

今後の国勢調査はどうなるか

 

 

先進国に追いつけとばかりに始まった国勢調査ですが、
ここのところ調査回数を重ねるたびに回答率が低下しています。

特に都会では低下が顕著です。

1995年には99.5%だったのが2010年には91.2%。

2015年は71.0%、

総務省は何とか回答率をあげようとテレビCMや
ネット広告を強化しました。

その結果、 パソコンやスマホを使った
インターネットからの回答方法が
良かったのか
2020年の回答率は81.3%に上がりました。

しかし人々のプライバシー保護を重んじる傾向は
今後も高まっていくことでしょう。

2025年の国勢調査のやり方や厳しくするのかなどを含めて
今後の方法を真剣に考えていく時期に来ていると思います。

 

まとめ

 

 

今の国勢調査をまとめると。

 

  1. 国勢調査に回答することは今は義務である。
  2. 国勢調査を拒否や嘘の報告をすると罰則があるが、

    これまでは罰せられた人はいない。

  3. 国勢調査を回答しなければ調査員が

    周囲から聞き取り調査をして代わりに報告をする。

  4. 国勢調査も調査員が直接回収や郵便以外に

    パソコンやスマホからも回答できるようになった。

  5. 今後の国勢調査のやり方、あり方を見直す時期に来ている。

 

国勢調査が始まった時代とは背景も社会環境も
大きく変わっています。

これからの国勢調査のあり方を国だけでなく、
みんなで考える時期に来ているのかもしれませんね。